クロマチックハーモニカの概要
欧米で主流のハーモニカです。
一般的にクロマチックハーモニカというとスライド式クロマチックハーモニカのことを指します。トゥーツ・シルマンスやラリー・アドラーなど有名なハーモニカ奏者やあのスティービー・ワンダーが使用しているものがこれです。演奏スタイルとしては和音の出る他の楽器と一緒だったり、ハーモニカアンサンブルのメロディパートを受け持ったりいたします。
1穴で4音出るので4穴で1オクターブ出ます。
このハーモニカは1つの穴で4音奏でることができます。例えば、吹くと「ド」が出る穴を吸うと「レ」が出て、レバーを押して吹くと「ド#」が、吸うと「レ#」がそれぞれ出ます。
1つの穴に吹き吸いのリードがあるので、吹いたときに吸う方のリードの所から空気が漏れてしまい息が足りなくなります。それを防ぐためバルブ皮で吹いたときは吸うリード、吸ったときは吹くリードの穴を塞ぎ効率よく空気を使うようにできております。
1穴4音で4穴で1オクターブのクロマチックスケールが出せるこのハーモニカは、3オクターブから4オクターブのモデルが主流になっております。
バルブ皮が付いていると音が全く出ない?
このハーモニカを最初に持った方からよく質問があるのが「全く音が出ないんですけど不良品ですか?」というものです。実はバルブ皮が付いているモデルは全てこの現象が現れます。ずばり喉が開いていないのが原因です。そう吹き方が悪いから音が出ないのです。試しに鼻をつまんで吹いてみてください。しっかり音が出ますから。
コードハーモニカも同じ現象が現れるのですが、コードの場合和音で奏でる(1和音あたり8つリードが鳴ります)ので1つや2つ音が出なくても気にならないのです。因みに私は喉がしっかり開くので牛乳を飲むのが早いです(笑)
それとバルブ皮が張り付いて音が出ないときもあります。寒い時期に冷たいハーモニカを吹くと結露がおきバルブ皮が張り付きますので、クロマチックハーモニカは手でしっかり暖めてから吹きます。
最初に持つのは樹脂ボディ製4オクターブモデルがお奨めです。
最初に持つハーモニカは16穴4オクターブのモデルをお奨めいたします。4オクターブモデルはボディが樹脂で出来ているものが多くメンテナンスも容易にできますし、何と言っても音域が広いので便利です。大は小を兼ねるとは良くいったものです。
具体的にモデル名を挙げるとHOHNERのSuper-64、Super-64XやChromonica-280、スズキのシリウスS-64、SCX-64がお奨めです。大きくて持ち辛いという人にはスズキから14穴56音のモデルも出ています。4オクターブには足りませんが、下の「ソ」までカバーしているので殆どの曲が吹けます。
複音ハーモニカと同じ配列のスライド式クロマチックハーモニカ
トンボから複音ハーモニカと同じ配列のクロマチックハーモニカでNO1244・ユニカという機種が販売されております。これは欧米のスライドクロマチックハーモニカとは全く別の楽器です。1穴2音(ドの穴はスライドを押すとド#が出ます)になりバルブ皮が付いていないため「音が出ない」という質問(苦情?)がありません。
複音ハーモニカをやっている方にとってはありがたいものですが、残念ながら教則本はありませんので独学で学んでください。